こんにちは、白衣のGです。
最近、手数料が安く分配金のもらえるETFが流行っていますね。ETFを購入し、年に数回お小遣いがもらえるので投資初心者の方でも購入する方が多いようです。
確かに投資を始めてすぐに分配金がもらえて嬉しいのですが、これは資産拡大というステージにいる方にはオススメできる手法ではありません。
なぜそう言えるのか。それは複利を最大限活かせないこと、手数料が余計にかかってしまうことにあります。
本記事を読み終わる頃には、きっとその理由をお分かりいただけるのではないかと思います。

投資の目的とステージについて考える

投資目的と現状を把握しておくといいと思います。
まず、お金が必要な理由は様々でも投資の目的はお金に余裕が欲しいからですよね。私自身もそうです。投資の目的はお金です。
次にステージを考えてみます。投資のステージとは①資産を大きくする時期なのか、②それを取り崩すあるいは配当金を得て手元に入るお金を増やす時期かということです。
私を含め、学生や初心者の多くは資産を大きくする時期にあるはずです。そうであれば、今は資産を拡大することに注力すべきではありませんか?
言い換えると、資産形成期は複利の力を最大限活かすべきであると私は考えています。
ETFについて理解している人ならば、「ETFで得た分配金を再投資すれば、複利を利用できるじゃないか!」という風に思うかもしれません。
確かに資産運用をしないことに比べればとても有効な方法です。しかし、資産拡大ということにスポットを当てるとそれは最善策とは言えません。
次にその理由を説明させていただきます。
ETFは資産拡大には向かない

なぜETFが資産拡大に向かないのか。それは最初に述べた通り、複利の力を活かしきれないからです。具体的に今大人気の「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」=VTを例に考えてみます。
2021年2月24日現在、VTの最低買付価格は97.86ドル、配当利回り1.56%となっています。ひと口約1万円、年間160円の分配金といったところでしょうか。
これを元に問題をピックアップしてみます。
- 分配金再投資に必要な金額は少額投資で獲得できない
- 為替手数料が発生する
- 基本的に自動化できない

順に見ていこう!
①分配金が再投資できない
VTの価格が約1万円と配当利回り1.56%から算出される以下の数字をご覧ください。
項目 | 金額・期間 |
---|---|
再投資に必要な金額 | VTの価格=1万円 |
年間配当金 | 1万円×1.156=156円 |
配当金再投資にかかる年数 | 1万円÷156円=64年 |
156円を64年1.56%で運用した場合 | 約156万円 |
つまり、分配金だけでETFをもうひと口買おうと思うと64年かかるということです。実際にはひと口以上保有するはずですのでそこまで期間はかかりませんが、年間の配当が1万円を越すまでは再投資はできないということです。
また、仮に156円が配当でなく自動再投資された場合はそれだけで64年で一万倍となります。たとえ一年であっても複利の力を活用しないことは、資産拡大にとってマイナスになることが想像いただけたのではないでしょうか。


②為替手数料の発生
為替とはある国の通貨を別の国の通貨に換える方法を指します。海外旅行に行くときに円をドルに換えますよね。でも1ドル=100円の時に1万円を払っても100ドルはもらえません。
これは為替手数料というものが発生しているからです。これはETFでも例外ではありません。ETFは上場した投資信託ですから、外国債券や外国株式に投資する商品であればその国の通貨に換える度にお金がかかります。
ドルで運用していたものを円に換えて配当金をもらって、またドルに換えて運用するために手数料を払う。資産拡大期にはこうした手数料も惜しむべきだと私は考えています。
③自動化できない
ETFは株式と同じで値動きのある中で買付をします。そのため、投資信託のように毎月いくら積み立てるというような自動化した投資方法が取れません。
これにより、長期投資でリスクを抑えるための買付方法であるドルコスト平均法の恩恵を受けにくいという側面があります。


④分配金に税金がかかる
分配金には、株式投資のキャピタルゲイン同様に20%の税金がかかります。
多くの方が特定口座を利用しているはずですから、20万円以下の利益であっても80%としか手残りはありません。学生や投資初心者のように資産拡大期にある人にとっては20%の税金はデメリットになると思われます。
複利を最大限利用するなら投信積み立て


最後に、資産拡大期に取るべき手法について解説したいと思います。
私自身が実践しておりオススメしたいのが投資信託です。投資信託であれば100円から購入可能なだけでなく、自動再投資も可能なためです。配当金として受け取らず、利益をそのまま翌年の元本にすることができます。
投資では結局入金力がものをいいます。そのため、自動化してほったらか投資をしながら入金力を高める方に注力することが重要だと考えています。
まとめ
ETFが資産拡大に向かないという話をさせていただきました。
少し振り返っておきましょう!
- ①ETFは分配金再投資に難あり
-
最低価格を配当金で得るためにはまとまったお金が必要
- ②手数料がかかる
-
資産拡大期には少しでも節約しておきたい
- ③自動化できない
-
ドルコスト平均法の恩恵を享受したい
最後に伝えておきたいのが、ETF自体はとてもいい商品です。配当金で贅沢をしてモチベーションを高めるなど、Goodな側面もたくさんあります。
自分のステージ・方針にあった選択をしていればそれが最善の投資手法になりますから、私も含め他人の言うことを鵜呑みにせず納得した投資LIFEを送っていってください。