こんにちは。白衣のGです。
「資産運用に債券を組み込むとリスクが低減する」。投資をやっている人なら当たり前となっているであろう知識の一つです。
確かにほとんど正しいのですが、長期運用といった視点で見た時には手放しに称賛できる方法ではありません。
本記事では、債券の特徴やリスクを下げると言われる理由を解説していきます。
債券についての理解を深めることで、より充実した資産運用ができるようになるはずです。一緒に勉強していきましょう!

大前提としての分散投資

債券について学ぶ前に、分散投資の概念を復習しておきましょう。
分散投資とは、企業や産業・国・資産クラスを分けることで株式などの下落時の損失リスクを下げる目的で行われる投資手法です。
もう少しわかりやすく言うと、値動きがバラバラのものを組み合わせることでリスクを下げようとするのです。
そのため、以下のような投資商品の組み合わせはあまり効果的とは言えません。
①同じ産業に投資
例えばガソリン業界。ENEOS、COSMO石油、エクソンモービルに資産を分配していたとします。
地球全体でECOや電気自動車が推進される中で、これらの企業のみに投資していては分散とは言えないでしょう。
ガソリン業界と電気自動車業界を組み合わせれば値動きは逆相関するかもしれません。
②同じ国に投資
国についても同じです。現在はアメリカ一強の時代となっていますが、それもいつまで続くか分かりません。
アメリカ全体に投資すれば産業は分散されていますが、国という単位で見ると分散できていないと言えます。
③同じ資産クラスに投資
資産クラスについても同様です。日本株だけでなく、外国株や国債・外国債も持つことでより分散効果を得ることができます。
株式と債券を持つということは資産クラスを分散しているということになります。
債券はなぜリスクを下げる?

資産運用時に債券を組み込む理由は、なんといっても「リスクを下げる」ためです。
でもその理由について知っている人は多くありません。せっかく元本割れのリスクを冒してまで資産運用をするのですから、その仕組みくらいは知って置いて損はないと思います。
債券がリスクを下げる主な理由は次の2つなのです。
①価格変動が小さい
単純に値動きが小さいことが挙げられます。
株式のように、ニュース等で瞬時に下落するようなことが少ないということです。
②株式と逆の動きをしうる
逆相関するとも言われますが、これは景気の良し悪しによって説明されます。以下の表を見てください。
景気がいい時 | 景気が良くない時 |
---|---|
債券は下がる↓ | 債券は上がる↑ |
株式は上がる↑ | 株式は下がる↓ |
株と債券の関係は様々なモデルで説明されるようですが、最もわかりやすいと思うものを紹介します。
- ・景気がいい
-
株の方が上昇幅が大きいので、投資家のお金は債券より株式に流れる=債券↓・株式↑
- ・景気が悪い
-
株の方が下落幅が大きいので投資に回されるお金は安全な債券に流れる=債券↑・株式↓
このように株と債券は逆の動きをするとされています。これを逆相関といい分散投資の根幹となる概念となっています。
債券も安泰ではない!

安全だから債券を組み込む。間違いではありませんがリスクも認識しておかなければいけません。
債券も発行元がデフォルトしてしまえば紙屑になってしまう危険性はあります。発行元が国であっても同じです。
その証拠に、米国とアフリカ諸国の発行する債券金利はアメリカが低くなっています。
これはアメリカの方がデフォルトの可能性が低い、つまり債券の安全性が高いためです。アフリカ諸国は金利を高くしないとお金を借りられないという見方もできるでしょう。
このように投資では常にリスクとリターンは相関します。

債券をポートフォリオにどう組み込むか

債券を組み込む方法は超シンプルです。
バランス型ファンドを購入しましょう。これは債券や株式などの異なる資産クラスを対象として投資信託であり、プロが勝手に運用してくれます。
資産クラスごとに利率が異なるため徐々にクラス比率は変わってきますが、それも自動でリバランスしてくれます。
もし自分でやってみたい人は、全株式のファンドと債券ファンドを別々に購入してみてもいいでしょう。
ただし、学生や初心者にはリバランスの手間や難易度からもオススメはできません。
まとめ
債券と株式を組み合わせる理由についてお話しさせていただきました。
盲目的に行っている人も多いようですが、仕組みを理解しているか否かで将来的に大きな差が出てくるはずです。
自分の資産ステージを把握し、適切な手法を選択しましょう。
本記事がみなさんの資産形成のお役に立てたなら幸いです。