こんにちは、佐藤です。
「大学生が最短で投資を理解、開始できる」をコンセプトに、全7回でお送りする大学生からの投資シリーズ。
第4回は「証券口座の種類」についてお話しします。

過去3回は下のリンクから飛べます
今回の結論
- 証券口座は一般・特定・NISA・iDeCo
- NISA、iDeCoでは非課税での運用が可能
- 課税口座は特定口座(源泉徴収あり)がおすすめ
- まずはNISAから始める
証券口座の種類と概要
証券口座には一般・特定・NISA・iDeCoの4つがあります。
まずはこれをざっくりと、運用益(儲け)に税金がかかるかどうかで分類します。


投資で手にした利益には所得に関わらず約20%の税金がかかりますが、非課税口座では運用益がそのまま利益になります。



これを分離課税と言います。
例えば100万円利益が出たとき、
・課税口座は手残り=約80万円
・非課税口座 =そのまま100万円
そのためよっぽどのことがない限り、非課税口座を優先的に使うことになります。
では次に、それぞれの証券口座を見ていきます。
課税口座
上述のとおり、一般口座と特定口座があります。
はじめに言っておくと、大学生が開くべき課税口座は、特定口座(源泉徴収あり)です。
それぞれを以下にまとめました。
項目 | 一般口座 | 特定口座(源泉徴収なし) | 特定口座(源泉徴収あり) |
---|---|---|---|
年間取引報告書 | 自分で作成 | 証券会社が作成 | 証券会社が作成 |
確定申告 | 自分でする | 自分でする | 不要 |
デメリット | だるい | だるい | 利益20万円以下は少し損 |
これを一言でまとめると、こうなります。
- 一般口座
-
取引を自分でまとめて申告する
- 特定口座(源泉徴収なし)
-
取引報告は任せるが申告は自分でする
- 特定口座(源泉徴収あり)
-
取引報告も申告もお任せ
源泉徴収のある口座では、利益が20万円以下(本来申告いらない)のときも20%の税金が取られてしまうため、投資資金が少ない時期は若干の損失があります。
しかし、取引報告書の作成や確定申告の手間を考えれば、目をつむっていいのではないかと思います。



いずれ年間20万円以上の運用益になります。
損失が気になる方は、その分をバイトで補いましょう!
非課税口座
名前の通り、運用益に税金がかかりません。
NISAとiDeCoの2種類がありますが、大学生が絶対に開設すべきはNISAです。
NISA
少しややこしいのですが、NISAにはいくつか種類があります。



大学生は①新NISAだけ理解しておけばOKですが、気になる方はYouTube等で調べてみてください。
2024年以降に始める人は、①新NISAだけしか開設できません!
- ①新NISA(②と③のハイブリッド)
-
・2024年からはこれしか使えない
・永久に非課税で運用可能
・限度額は年間MAX360万円(計1800万円)
- ②つみたてNISA
-
・2023年以降は入金不可能
・銘柄は金融庁が厳選した投資信託に限定
・年間40万円を入金限度に、運用益20年の非課税
・入金済みの投資枠は2042年まで有効
- ③一般NISA
-
・2023年以降は入金不可能
・つみたてNISAより銘柄が多い
・年間120万を入金限度に、運用益5年の非課税
とにかく大学生は、2024年から始まる①新NISA口座を開設しましょう(そもそもそれしか出来ない)。
この新NISAは日本の金融史が大きく変わるほどの、神制度と言われています。
そう言われる所以と概要についての詳細は別記事で解説していますのでご参考にしていただければと思います。
iDeCo
「老後の年金を自分でも用意しよう!」という目的でつくられた証券口座です。



結論から言うと、将来は絶対に使うべき口座ですが、大学生のうちはただの非課税口座です。
社会人になる時に開設すればOK。
以下に特徴をまとめます。
- 原則60歳まで引き出せない
→あくまで老後の年金を作るための制度 - 掛け金(入金額)が人によって異なる
→職業による、就職まで分からない - 掛け金が全額所得控除
→課税所得が減るので、所得税が減る!
「掛け金が全額所得控除」について補足します。
私たちが社会に出て働き収入を得ると、その額に応じた税率で所得税を支払うことになります。
この所得税は、次のように決定されています。
- 収入 ー 控除 =課税所得
- 課税所得 × 所得税率 =所得税額
これを見ると、次のように考えられるはずです。
- 所得税を減らすには、課税所得が減ればいい
- そのためには収入減らす or 控除増やす
収入を減らしていては元も子もないですから、控除を増やす必要があります。
控除には医療費や寄付などさまざまな種類がありますが、iDeCoの掛け金も該当しています。
そのため、iDeCoでの入金額が控除になり、課税所得を減らし、結果的に所得税を少なくできるのです。
しかし繰り返しになりますが、一般の大学生にとってはメリットとはなりません。
大学生は特定口座(源泉徴収あり)とNISAを開くべき
結論になります。
大学生は、まず第一に特定口座(源泉徴収あり)とNISA口座を開設しましょう。
そして、まずは非課税口座であるNISAで資産形成をスタートさせるのが原則です。
NISAでは神改正により、ほとんどの人は資産形成を非課税でできるようになりました。
正直NISAとiDeCoがあれば、特定口座の出る幕はありません。
今回は各口座について最低限の説明に留めましたが、当サイトの他記事やYouTube等を利用して、さらに理解を深めてもらえたらとお思います。
次回はいよいよ、投資対象の種類についてお話しします。